ご挨拶


農作物は、病害、虫害、雑草害および鳥獣害などの被害を絶えず被っており、収穫後の貯蔵農作物にも病虫害は発生します。それらの被害による減収は甚大で大きな経済的損失が生じます。植物の保護管理学は、限られた農耕地で最大の生産量を確保するために必須の学術分野であり、国内外の農業生産現場では様々な植物保護対策が実施されております。
吉備国際大学植物クリニックセンターは、淡路地域の農業生産者および県や市をはじめ産官学の関係研究機関と連携して、淡路ブランド野菜や果樹など島内の植物資源の病害等の防除に貢献することを主たる目的としております。また、生産現場での解決すべき課題については農学部の学生の卒論研究のテーマとして取り組んでおり、地域連携活動が学生の実践力を育む格好の機会となっております。
また、本学の植物クリニックセンターは、東京大学植物病院を中心とする全国的な植物病院構想の中で展開されている植物病院ネットワークの一つの拠点となり法政大学植物医科学センターをはじめ各植物防疫機関とも連携しております。本センターのホームページには淡路の特産野菜、果樹等の病害に関する情報に加え、植物病院や国や県の植物防疫関係の情報サイトと連携し、多種多様な植物病害等に関する最新の情報を参照することができますのでご利用ください。また、植物の病害等について何かお困りのことがございましたらお気軽にお問い合わせください。私たちの植物病院ネットワークとも連帯して対処法などについて検討させていただきます。
毎年7月には、全国の植物保護研究の関係者をはじめ兵庫県淡路県民局、南あわじ市、JAあわじ島と連携して、吉備国際大学農学部において「吉備国際大学植物保護シンポジウム」を開催しております。このシンポジウムは、病害防除に係る診断と防除法の一層の開発を目指している我が国の産官学民の情報交流の場となっておりますので、関係各位には是非ご参加ください。本会が植物保護産業の一層の発展に寄与する機会となれば幸いです。